複利計算のやり方|数式・単利との違い・積立の将来価値・72の法則を数字で理解
公開日:2026年7月12日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:積立・複利シミュレーション
「毎月コツコツ積み立てたら、将来いくらになるんだろう?」——資産形成を考えるとき、多くの人が気になるのが将来の金額です。複利の計算は手作業では面倒で電卓では正確に出しにくく、その割に「思ったより増える/増えない」の差が大きく出ます。このページでは複利の仕組みと数式を整理し、当ツール(初期投資額・毎月の積立額・想定年利・運用年数から将来の総額を月次複利で試算)の結果を読み解けるように、自分で計算した具体的な数値例で解説します。
複利の仕組みと基本の数式
複利とは、運用で得た利益を元本に組み入れ、その合計に対してさらに利益がつく仕組みです。利益が次の利益を生むため「雪だるま式」に増えていきます。一括で預けたお金が育つときの基本式は次の通りです。
- 元利合計 = 元本 ×(1 + r)の n 乗(r=1期あたりの利率、n=運用の回数)
たとえば元本100万円を年利5%で1年運用すると、100万×1.05=105万円。2年目はこの105万円全体に5%がつくので約110.25万円と、増えた5万円にも利益がのっていきます。年1回の複利なら10年後は100万×1.05の10乗で約162.9万円。元本を長く置くほど、増え方が指数関数的に加速するのが複利の特徴です。
単利との違いを数字で見る
単利は常に「当初の元本」だけに利息がつく方式です。同じ元本100万円・年利5%・10年でも、単利なら利息は毎年5万円ずつで合計50万円、10年後は150万円にしかなりません。一方の複利(年1回)は約162.9万円で、利息は約62.9万円。差は約12.9万円です。
この差は期間が延びるほど拡大します。単利は直線的に増えるだけですが、複利は増えた分にもさらに利益がつくため、20年・30年と長くなるほど曲線的に伸びていきます。複利で「時間を味方につける」と言われる理由がここにあります。
毎月積み立てたときの将来価値
当ツールの主役は、一括ではなく毎月一定額を積み立てるケースです。計算は月次複利で、毎月末に「残高へ利息をつけてから積立額を加える」処理を運用年数×12か月ぶん繰り返します。元本合計は「初期投資額 + 毎月の積立額 × 月数」、運用益は「将来の総額 − 元本合計」として求めます。
- 初期0円・毎月3万円・年利5%・20年 → 元本720万円に対し、将来の総額は約1,233万円、運用益は約513万円。
- 同じ条件で年数だけ30年に延ばす → 元本1,080万円に対し、約2,497万円、運用益は約1,417万円。
元本は1.5倍(720万→1,080万)になっただけですが、運用益は約513万円から約1,417万円へと約2.8倍に膨らみます。積立期間が長いほど複利の効きが加速する、という点が数字ではっきり確認できます。
複利頻度(年1回か月1回か)で結果は変わる
同じ「年利5%」でも、利益を元本に組み入れる回数(複利頻度)が多いほど、最終額はわずかに大きくなります。先ほどの一括100万円・5%・10年は、年1回複利なら約162.9万円ですが、当ツールと同じ月次複利では約164.7万円になります。差は約1.8万円と小さいものの、頻度が高いほど有利という関係は覚えておくと役立ちます。
金融庁の資産運用シミュレーションなど、公的なツールには年次で計算するものもあり、複利頻度の違いで表示額が数%ずれることがあります。他のツールと数字が合わないときは、まず「複利が年1回か月1回か」と「積立が月初か月末か」を確認してください。当ツールは月次複利・毎月末積立を前提としています。
72の法則でざっくり倍になる年数を知る
細かい計算をしなくても、お金が約2倍になるまでの年数を暗算できるのが72の法則です。
- おおよその年数 ≒ 72 ÷ 年利(%)
年利5%なら72÷5=14.4年で約2倍、年利3%なら約24年、年利6%なら約12年が目安です。実際に100万円を年利5%で運用すると、14年半ほどで約2倍に達します。あくまで暗算用の近似式ですが、「利回りが2倍になれば、倍になるまでの期間はほぼ半分」という感覚をつかむのに便利です。年利を1〜2%変えるだけで到達年数が大きく動くことも実感できます。
使うときの注意(お金の判断は慎重に)
資産運用はお金に関わる重要な判断です。本ツールの数字は一定の年利を仮定した目安(概算)であり、将来の金額や元本を保証するものではありません。次の点に注意してください。
- 税金・手数料は含みません。課税口座では運用益に約20.315%が課税され、投資信託の信託報酬などのコストも実際には差し引かれるため、手取りはそのぶん少なくなります。
- インフレや相場変動は考慮していません。実際の利回りは年ごとに上下し、元本割れする年もあり得ます。
- 想定年利は控えめな値(例:3%)と強気の値(例:6%)の両方で試し、結果の「幅」を把握しておくと安心です。毎月3万円・20年なら、3%で約985万円、6%で約1,386万円と大きく変わります。
制度や税率は変わることがあります。最新の情報は金融庁など公的機関の公式サイトで確認し、実際の投資判断はご自身の状況を踏まえたうえで、必要に応じてファイナンシャルプランナー(FP)など専門家に相談してください。本ツールはあくまで「複利の効き方を数字で体感するための試算」としてご利用ください。まずは自分の積立プランを入力して、複利の力を確かめてみてください。