個人事業主の所得税・住民税はいくら?計算の流れと概算ツールの使い方ガイド
公開日:2026年7月28日 対象ツール:個人事業主の所得税・住民税(概算)
個人事業主やフリーランスにとって、所得税は「よく分からないまま毎年払うもの」になりがちです。ここでは所得税がどう決まるのかを、会社員の給与所得との違いも交えて整理し、最後にこのツールでの試算方法にふれます。金額・税率はいずれも目安です。
所得税は「収入→所得→課税所得→税額」の順に決まる
所得税は一気に決まるのではなく、次の4段階を通って計算されます。
- 収入:売上や給与など、入ってきたお金の総額
- 所得:収入から必要経費(会社員は給与所得控除)を引いた「もうけ」
- 課税所得:所得からさらに所得控除を引いた、税率をかける対象
- 税額:課税所得に税率をかけ、税額控除を引いた最終的な税金
個人事業主の所得は、「売上 − 経費 − 青色申告特別控除(65万・55万・10万・0円)」で求める事業所得です。会社員は勤務先が源泉徴収と年末調整をしますが、事業所得は自分で確定申告して納めます。たとえば売上600万円・経費150万円・青色申告特別控除65万円なら、事業所得は600万 − 150万 − 65万 = 385万円になります。
所得控除と税額控除は「引く場所」が違う
名前が似ていますが、効き方はまったく違います。
- 所得控除は課税所得を減らす控除です。基礎控除・社会保険料控除・扶養控除・医療費控除など。減った分に税率がかかるので、節税額は「控除額 × 税率」になります。
- 税額控除は計算後の税額そのものを直接減らす控除です。住宅ローン控除や配当控除など。1万円の税額控除は、そのまま1万円の減税になります。
税率は5%〜45%の「超過累進」
所得税率は課税所得に応じて5・10・20・23・33・40・45%の7段階です。ただし上の段階に入っても、所得の全額が高い税率になるわけではありません。超えた部分にだけ高い税率がかかるのが超過累進で、実際は国税庁の速算表を使い「課税所得 × 税率 − 控除額」で一度に計算します。これに復興特別所得税(所得税額の2.1%)が上乗せされ、別に課税所得の約10%+均等割(標準で年5,000円)の住民税もかかります。
確定申告が必要になる主な人
- 個人事業主・フリーランスで事業所得がある人
- 給与以外の副業所得が年20万円を超える会社員
- 医療費控除・寄附金控除・住宅ローン控除の初年度などを受けたい人
- 2か所以上から給与を受けている人 など
会社員は給与から所得税が源泉徴収され年末調整で完結しますが、上に当てはまると自分で確定申告が必要になります。
ありがちな失敗
いちばん多いのが控除の入れ忘れです。国民年金・国民健康保険は支払った全額が社会保険料控除の対象なのに未記入だったり、医療費控除やふるさと納税を申告し忘れたりすると、払わなくてよい税金まで払うことになります。逆に申告そのものを忘れると、無申告加算税や延滞税が上乗せされます。どちらも「知っていれば防げた」失敗です。
このツールでの試算方法
年間の売上・経費、青色申告特別控除、社会保険料などの「その他の所得控除」を入れるだけで、事業所得・課税所得・所得税・復興特別所得税・住民税とその合計が自動計算されます。売上や控除を変えれば、税額がどう動くかもその場で比べられます。
先ほどの事業所得385万円・その他の控除なしの例では、基礎控除を引いた課税所得に速算表を当てはめ、所得税・復興特別所得税・住民税の合計はおよそ57万円が目安になります。ここに社会保険料控除などを積み増せば、この金額はさらに下がっていきます。
表示される金額は令和7年分の基礎控除・税率にもとづく概算の目安で、個人事業税・消費税・国民健康保険・国民年金や各種税額控除は含みません。正確な税額や個別の判断は、確定申告書の作成や税理士・税務署への相談で確認してください。本記事・ツールは税務上の助言ではありません。