BPMからディレイタイムを計算する|音価とms/Hz早見
公開日:2026年9月1日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:BPM→ディレイ/リバーブ計算
DTMや音楽制作でディレイをテンポに合わせたいとき、頼りになるのが「4分音符は何ミリ秒か」という一つの数字です。このツールは、テンポ(BPM)を入れるだけで、全音符から32分音符まで、通常・付点・3連符それぞれのディレイタイム(ms)と周波数(Hz)を一覧にします。この記事では、その計算がどこから来ているのか、そして出てきた数値をディレイやリバーブ、LFOでどう使うのかを、実装のロジックに沿って具体的な数値とともに整理します。
4分音符のミリ秒はどう決まるか
計算の起点はたった一つ、4分音符(ms)= 60000 ÷ BPMです。1秒は1000ミリ秒なので1分は60,000ミリ秒。BPM(Beats Per Minute)は1分あたりの拍=4分音符の数を表すので、60,000ミリ秒をその数で割れば、4分音符1つ分の長さが出ます。
たとえば120 BPMなら 60000 ÷ 120 = 500 ms。これが4分音符の長さです。テンポが上がるほど1拍は短くなり、140 BPMでは約428.57 ms、ドラムンベースでよく使う174 BPMでは約344.83 msまで縮みます。逆に90 BPMだと約666.67 msと長くなります。この一次的な反比例の関係さえ押さえれば、あとは掛け算だけで全ての音価が求まります。
音価の倍率と、付点・3連符の掛け方
4分音符を基準(×1)に、音価が2倍長くなるごとに時間も2倍になります。ツールでは全音符=×4、2分音符=×2、8分音符=×0.5、16分音符=×0.25、32分音符=×0.125という倍率で計算しています。120 BPMなら8分音符は 500 × 0.5 = 250 ms、16分音符は 500 × 0.25 = 125 ms、全音符は 500 × 4 = 2000 msです。
さらに各音価には2つの変種が並びます。付点は元の1.5倍(付点8分=8分の1.5倍)、3連符は元の2/3倍(4分3連=4分の2/3)です。付点はリズムに跳ねや広がりを、3連符は転がるような細かさを与える定番の割り方です。120 BPMで検算すると、付点8分は 250 × 1.5 = 375 ms、4分3連は 500 × 2/3 = 約333.33 msになります。8分3連は 250 × 2/3 = 約83.33 msといった具合に、どの音価にも同じ規則が効きます。
msとHz、二つの単位の意味
各セルには ms と並べて周波数(Hz)も出しています。Hzは1000 ÷ msで、その周期が1秒間に何回繰り返されるかを表します。120 BPMの4分音符(500 ms)は1000 ÷ 500 = 2 Hz、8分音符(250 ms)は4 Hz、付点8分(375 ms)は約2.67 Hz、4分3連(約333.33 ms)はちょうど3 Hzです。
使い分けはシンプルです。時間を設定する項目にはmsを、揺れの速さを設定する項目にはHzを使います。ディレイのDelay Timeやリバーブのプリディレイはmsで指定するのが普通ですが、LFO(低周波発振器)やトレモロ、オートパンは周波数(Hz/レート)で指定する機種が多いためです。8分音符の周期に合わせて音量を揺らせば、テンポに乗ったトレモロになりますし、フィルターのカットオフを同じ周期で動かせばリズミカルなワウが作れます。
ディレイタイムを合わせる実務
ディレイでよく選ばれるのは8分音符と付点8分音符です。8分ディレイはリズムにきっちり乗る素直な反復、付点8分ディレイは原音とわずかにずれた位置に反復が並び、テンポに乗りつつ密度のある広がりを生みます。ギターやシンセのリードで定番の質感で、8分ディレイと重ねて使うことも多いです。120 BPMなら Delay Time に250 ms(8分)や375 ms(付点8分)を入れるだけ。テンポシンク機能の無い機材やプラグインでも、この ms 値を直接打ち込めばテンポに同期します。0.1 ms単位で入力できる機器なら、128 BPMの付点8分(約351.56 ms)のような小数もそのまま使えます。
リバーブでは、プリディレイ(原音のあと残響が始まるまでの間)に16分〜8分程度の短いmsを目安にすると、原音と残響が分離して音像が整理されます。ディケイ(残響が消えるまでの長さ)は小節長、つまり全音符(120 BPMで2000 ms)やそれ以上を手がかりにできます。ボーカルに軽いプリディレイを入れて言葉の頭を立たせる、といった使い方が代表例です。
よくある勘違いと使いこなしの目安
まず、テンポが2倍のとき音価は半分になる関係を混同しないこと。90 BPMの8分音符(約333.33 ms)は、120 BPMの4分3連(約333.33 ms)と同じ長さになります。狙いのリズムを間違えると、正しい数字でも意図と違うノリになります。次に、msとHzを取り違えないこと。Delay TimeにHzの値を入れても意味を成しません。
細かい音価ほどHzは高くなるので、LFOを速く揺らしたいなら16分(120 BPMで8 Hz)や32分を、ゆったり揺らしたいなら2分や全音符(0.5〜1 Hz付近)を選ぶと見当がつきます。ここで出る数値はあくまで出発点です。フィードバックやミックス全体の密度によって、耳で数ms前後させたほうが馴染むこともよくあります。表全体は「表をコピー」でタブ区切りのテキストとして書き出せるので、表計算ソフトに貼って自分の使うテンポ表を作っておくと便利です。計算はすべてブラウザ内で完結し、入力したBPMがサーバーへ送られることはありません。