最大公約数(GCD)と最小公倍数(LCM)の求め方|互除法・素因数分解・実務例
公開日:2026年7月27日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:最大公約数・最小公倍数
最大公約数(GCD)と最小公倍数(LCM)は、分数の約分・通分から、周期の重なりやタイル敷きの設計まで、日常の計算で何度も顔を出す道具です。名前は覚えていても、手で計算すると途中で割り切れる数を見落としたり、答えに自信が持てなかったりします。この記事では、GCDとLCMの意味、ユークリッドの互除法と素因数分解という2通りの求め方、両者を結ぶ「GCD×LCM=2数の積」の関係を、実際に検算した数値例で確認します。あわせて、複数の整数をまとめて計算できるこのツールの使い方も紹介します。
最大公約数と最小公倍数とは
最大公約数(GCD:Greatest Common Divisor)は、入力したすべての整数を共通して割り切れる整数のうち、最も大きいものです。最小公倍数(LCM:Least Common Multiple)は、すべての整数の倍数になる正の整数のうち、最も小さいものです。
たとえば12と18で考えます。12を割り切れる数は1・2・3・4・6・12、18を割り切れる数は1・2・3・6・9・18で、両方に共通するのは1・2・3・6。その中で最大の6が最大公約数です。一方、12の倍数は12・24・36…、18の倍数は18・36…と並び、最初に一致するのが36なので、最小公倍数は36になります。GCDは「共通して割れる上限」、LCMは「共通して届く下限」と押さえると混同しにくくなります。
ユークリッドの互除法で最大公約数を求める
このツールが最大公約数の計算に使っているのがユークリッドの互除法です。2つの数 a, b について、a を b で割った余りを r とすると「gcd(a, b) = gcd(b, r)」が成り立ちます。これを、余りが0になるまで繰り返します。
- 48と36なら、48÷36=1余り12。次は「36と12」で考えます。
- 36÷12=3余り0。余りが0になったので、直前の割る数12が最大公約数です。
素因数分解をしなくても、数回の割り算だけで答えにたどり着けるのが互除法の強みです。18と12でも同じで、18÷12=余り6、12÷6=余り0となり、最大公約数は6と分かります。桁の大きな数ほど、この方法の速さが効いてきます。
素因数分解でも求められる
互除法とは別に、素因数分解から求める方法もあります。各数を素数の積に分解し、共通する素因数の「小さいほうの指数」を掛け合わせると最大公約数、「大きいほうの指数」を掛け合わせると最小公倍数になります。
12=2²×3、18=2×3² で考えます。素因数2は12が2乗・18が1乗なので小さいほうの1乗、素因数3は12が1乗・18が2乗なので小さいほうの1乗を取り、最大公約数は2×3=6。最小公倍数は大きいほうの指数を取って2²×3²=4×9=36です。互除法で出した答えとぴったり一致します。手計算では、数が小さいうちは素因数分解、桁が増えたら互除法、と使い分けると速く確実です。
GCD×LCM=2数の積という関係
2つの数では、「最大公約数 × 最小公倍数 = 2数の積」という関係が必ず成り立ちます。12と18なら、6×36=216で、12×18=216とちょうど同じです。48と36でも、最大公約数12・最小公倍数144で、12×144=1728=48×36が確かめられます。
この関係のおかげで、最小公倍数は「2数の積 ÷ 最大公約数」で計算できます。このツールも、互除法で求めた最大公約数を使い、LCM=a×b÷GCD の形で最小公倍数を出しています。ただしこの等式が使えるのは2数のときだけで、3個以上では単純に全部を掛けた値にはなりません。3個以上は、先頭2つのGCD(またはLCM)を出し、その結果と次の数を組み合わせる…と順番に処理します。たとえば12, 18, 24 なら最大公約数は6、最小公倍数は72です。
分数・タイル・周期での使いどころ
最大公約数と最小公倍数は、次のような場面でそのまま役立ちます。
- 分数の約分:分子と分母の最大公約数で割ると一気に既約分数になります。18/24 は最大公約数が6なので、18÷6と24÷6で 3/4 になります。
- 分数の通分・足し算:分母の最小公倍数を共通分母にします。1/6+1/8 は分母のLCMが24なので、4/24+3/24=7/24。最小の共通分母を使うと約分の手間が減ります。
- タイルや正方形での敷き詰め:縦120cm×横180cmの面を、同じ大きさの正方形で隙間なく敷くとき、最大の一辺は最大公約数の60cm。縦2枚×横3枚の計6枚で埋まります。
- 周期の一致:6日ごとの作業と8日ごとの作業が次に同じ日に重なるのは、最小公倍数の24日後です。歯車の噛み合わせやシフトの周期でも同じ考え方が使えます。
使い方とよくある注意点
- 入力欄に整数を2個以上、カンマまたはスペースで区切って入力します(例: 12, 18, 24)。
- 入力と同時に、最大公約数(GCD)と最小公倍数(LCM)が自動で表示されます。
- 対象にした数の一覧も出るので、入力ミスがないか確認できます。
- 各数を最大公約数で割った「最も簡単な整数比」も表示されます(12, 18, 24 なら 2 : 3 : 4)。
- 必要なら「結果をコピー」ボタンでまとめて写せます。
計算はすべてブラウザ内のJavaScript BigIntで行うため、通常の数値型の上限を超える桁数の大きな整数でも桁あふれせず、入力値が外部に送られることもありません。注意したいのは、3つ以上のときの最大公約数は「2つずつのペアが約分できるかどうか」とは別だという点です。4, 6, 9 は、4と6、6と9はそれぞれ共通の素因数を持ちますが、3つ全部に共通する素因数はないため、全体の最大公約数は1になります(このとき最小公倍数は36)。最大公約数が1になる関係を「互いに素」といい、8と15のように共通の素因数を1つも持たない組がその例です。各数は絶対値で扱い、最大公約数の計算では0は無視され、最小公倍数の計算に0が含まれると結果は0になります。