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退職金の税金はいくら?勤続年数から手取りを自動計算する方法

公開日:2026年7月26日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:退職金の税金

退職金を受け取るときに気になるのは「額面のうち、実際に手元へ残るのはいくらか」です。退職金は毎月の給与とは切り離され、「退職所得」という区分で税金を計算します。長年の勤労に対する報酬で老後の生活資金でもあるため、給与所得よりも税負担が軽くなるよう、いくつもの優遇が組み込まれているのが特徴です。このツールは退職金の額面と勤続年数を入れるだけで、退職所得控除・退職所得・所得税(復興特別所得税込み)・住民税・手取り額を、国税庁の計算方法に沿って自動で試算します。まず仕組みを押さえておくと、表示される数字の意味がはっきり分かります。

退職金の税金が軽くなる3つの仕組み

退職所得の計算は、大きく次の3段階で税金を圧縮します。順番に効いてくるので、どれか1つでも外れると税額は大きく変わります。

  • 退職所得控除:勤続年数に応じた非課税枠を、退職金からまるごと差し引く。
  • 2分の1課税:控除を引いた残りを、さらに半分にした額だけを課税対象にする。
  • 分離課税:給与など他の所得と合算せず、退職所得だけで税率を決めるため税率が上がりにくい。

この3つが重なるため、勤続年数が長い人ほど退職金に税金がかからない、あるいはごくわずかで済むケースが多くなります。

退職所得控除の計算 — 勤続20年が分かれ目

退職所得控除額は勤続年数だけで決まり、退職金の額は関係しません。計算式は勤続20年を境に切り替わります。

  • 勤続20年以下:40万円 × 勤続年数(最低80万円)
  • 勤続20年超:800万円 + 70万円 ×(勤続年数 − 20年)

20年を超えると1年あたりの加算が40万円から70万円に増えるのがポイントです。例えば勤続10年なら40万×10=400万円、勤続20年なら800万円、勤続30年なら800万+70万×10=1,500万円が控除されます。勤続19年(760万円)と21年(870万円)を比べると、20年を挟むだけで控除が110万円も動くことが分かります。なお勤続年数の1年未満の端数は切り上げるため、20年1か月でも21年として計算します。

1/2課税と税額の求め方(数値例で検算)

課税対象となる退職所得は「(退職金 − 退職所得控除) × 1/2」で求めます。ここがマイナスになる、つまり退職金が控除額以下なら退職所得は0円で、所得税も住民税もかかりません。例えば勤続30年・退職金1,000万円なら、控除1,500万円が退職金を上回るので税金は0円です。勤続が長く退職金が控除の範囲に収まると、税額がゼロになることは珍しくありません。

課税額が出る例として、退職金1,000万円・勤続10年を計算します。控除は400万円、退職所得は(1,000万 − 400万) × 1/2 = 300万円です。所得税は速算表で「300万 × 10% − 9万7,500円 = 20万2,500円」、これに復興特別所得税2.1%を加えて約20万6,753円。住民税は退職所得の一律10%で30万円です。税額合計は約50万6,753円、手取りは約949万3,248円になります。

税率は退職所得の大きさで変わり、5%から45%の速算表が使われます。退職金が大きい、あるいは勤続が短くて控除が小さいほど、退職所得が膨らんで税率も上がる関係です。逆に控除に近い退職金なら、退職所得が小さくなり低い税率で収まります。

「退職所得の受給に関する申告書」は必ず出す

ここまでの軽い税額は、退職時に勤務先へ「退職所得の受給に関する申告書」を提出していることが前提です。提出していれば適正な源泉徴収で完結し、原則として確定申告も不要になります。

一方、申告書を出し忘れると、退職所得控除も2分の1課税も源泉徴収の段階で反映されず、退職金の額面に一律20.42%が源泉徴収されてしまいます。先ほどの退職金1,000万円の例なら約204万円が天引きされ、本来の約50万円との差はとても大きくなります。払い過ぎた分は自分で確定申告すれば戻ってきますが、手間と資金繰りを考えれば、申告書は退職前に必ず提出しておくのが安全です。本ツールは申告書を提出した場合(適正に分離課税される場合)を前提に計算しています。

ツールの使い方と早見表の見方

  1. 「退職金(額面)」に税引き前の支給額を半角数字で入力します(例: 20000000)。
  2. 「勤続年数」を入力します。1年未満は切り上げて計算されます。
  3. 入力と同時に、控除額・退職所得・所得税・住民税・税額合計・手取りが自動表示されます。「結果をコピー」ボタンでメモやメッセージにも貼り付けられます。

画面下の「勤続年数別 退職所得控除の早見表」は、その勤続年数なら退職金がいくらまで非課税かの目安ラインです。勤続20年で800万円、25年で1,150万円、30年で1,500万円、40年で2,200万円までは、退職金がその額以下ならおおむね税金がかかりません。勤続年数や退職金を変えて入力し、控除額と手取りがどう動くかを試すと感覚がつかめます。

注意点とよくある誤解

表示される金額はあくまで概算です。実際の計算では所得税・住民税それぞれで1,000円未満などの端数処理が入り、本ツールと数百円ずれることがあります。また次のようなケースは計算方法が変わるため、この目安をそのまま当てはめないでください。

  • 同じ年に複数の退職金や、iDeCo・確定拠出年金の一時金を受け取った場合(勤続期間の重複を調整する計算が入る)。
  • 勤続5年以下の場合。役員等は2分の1課税が使えず、それ以外でも控除後300万円を超える部分には2分の1が適用されない特例がある。
  • 障害が原因で退職した場合(退職所得控除に100万円が加算される)。

税金は生活やお金に直結するYMYL分野です。本ツールと本記事は一般的な計算方法に基づく目安であり、税務上の個別助言ではありません。税制は改正されることがあり、勤続年数の数え方や特例の適用は個々の事情で変わります。正確な税額・最新の制度・具体的な手続きは、必ず国税庁の情報や、勤務先・税務署・税理士などの専門家にご確認ください。

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