圧力の単位早わかり|hPa・kPa・psi・mmHgが何に使われるか
公開日:2026年7月26日 対象ツール:圧力の単位変換
圧力の単位は、天気予報の「hPa」、血圧の「mmHg」、タイヤ空気圧の「kPa」や「psi」というように、分野ごとにまったく違う単位が定着しているのが厄介なところです。数字だけ見ても大小の感覚がつかめず、いざ読み替えようとすると戸惑います。ここでは「どの単位が何を測るために使われるのか」を場面ごとに整理し、換算の考え方と、実際に起きがちな取り違えの失敗まで見ていきます。
そもそも圧力の単位はなぜこんなに多いのか
国際的な基準は SI 単位の Pa(パスカル)で、1平方メートルに1ニュートンの力がかかる圧力が1Paです。ただ日常の圧力はPaで書くと桁が大きくなりすぎるため、分野ごとに扱いやすい倍数や歴史的な単位が生き残りました。倍数系は hPa(100Pa)・kPa(1000Pa)・MPa(100万Pa)、そこにキリのよい bar(10万Pa=100kPa)、大気圧そのものを1とする atm、水銀柱の高さから来た mmHg、ヤード・ポンド系の psi、工業で根強い kgf/cm² が加わります。基準をひとつ覚えるなら「1気圧=1013.25hPa=760mmHg=約14.7psi」です。
天気予報のhPa ― 1気圧はおよそ1013hPa
天気図や気圧配置で見る hPa は、標準大気圧が 約1013hPa だと覚えておくと感覚がつかめます。高気圧は1013より高め、低気圧は低めというだけの話です。台風の「中心気圧950hPa」は約0.938気圧で、平常よりかなり気圧が下がった状態を意味します。なお昔の天気図の「ミリバール(mbar)」は 1mbar=1hPa で数値がそのまま同じなので、古い資料を読むときも読み替え不要です。
タイヤ空気圧のkPa・psi・kgf/cm² ― ここが一番混乱する
自動車のタイヤは、日本の指定空気圧が kPa、輸入車やスタンドのゲージが psi、少し前の表記や工場では kgf/cm² と、3種類が入り混じります。だいたいの対応は次のとおりです。
- 200kPa = 約29.0psi = 約2.04kgf/cm²
- 220kPa = 約31.9psi = 約2.24kgf/cm²
- 240kPa = 約34.8psi = 約2.45kgf/cm²
- 250kPa = 約36.3psi = 約2.55kgf/cm²
ざっくり 「kPa を約7で割ると psi」「100kPaがおよそ1kgf/cm²」と覚えておくと、ゲージの単位が違っても見当がつきます。運転席のドア付近に貼られた指定空気圧の単位を、まず確認するのが確実です。
失敗例 ― 単位を取り違えて入れすぎ・不足
空気圧の取り違えは、ただの計算ミスでは済まないことがあります。
- 入れすぎ: 指定「250kPa」をそのまま「250psi」と勘違いして入れると、250psiは約1724kPa。指定の約7倍で、常識的なタイヤの耐圧を大きく超える危険な状態です。
- 不足: 逆に海外ゲージの指定「35psi」を「35kPa」と読んでしまうと、35psiの正しい値は約241kPaなのに、35kPaしか入れないことになります。7分の1程度しかなく、明らかな空気圧不足でパンクや偏摩耗の原因になります。
「数字が近いから」と単位を無視して合わせるのが一番危険です。単位が違うときは、感覚で合わせず必ず換算してから入れてください。
血圧のmmHg ― 水銀柱の高さが由来
血圧計の「上120・下80」の単位は mmHg(水銀柱ミリメートル、Torr と同じ)です。もともと水銀を何ミリ押し上げるかで圧力を測っていた名残で、1mmHg=約133.3Pa。上の血圧120mmHgはPa換算で約16.0kPa(約159.99hPa)にあたります。ちょうど 760mmHgが1気圧で、医療や真空の分野ではこの単位が今も標準です。
換算の考え方
単位がいくつあっても、考え方は単純です。すべての単位を一度Paに直し、目的の単位へ戻すだけ。定義値は 1atm=101325Pa、1bar=100000Pa、1kgf/cm²=98066.5Pa、1mmHg=101325/760Pa、1psi=6894.757Pa です。たとえば2.5barなら、2.5×100000=250000Pa。これをpsiに直すなら250000÷6894.757=約36.3psiとなります。手計算はこの2ステップで足りますが、桁を間違えやすいので、実際の場面ではツールに任せるのが安全です。なお本ツールが扱うのは単位の換算だけで、ゲージ圧(大気圧を0とする)と絶対圧(真空を0とする)の差(約101.3kPa)は自動では足し引きしない点に注意してください。
このツールでの換算方法
- 換算したい値を半角数字で入力します(小数も可。例: 1013.25)。
- 「変換元」の単位を選びます(例: kPa)。
- 「変換先」の単位を選びます(例: psi)。
- 入力と同時に結果が計算され、Pa・hPa・kPa・MPa・bar・atm・mmHg・psi・kgf/cm² の全単位への換算値が一覧で表示されます。
⇄ ボタンで変換元と変換先を入れ替えられ、「結果をコピー」ボタンでそのまま貼り付けられます。単位の読み替えに迷ったら、まずこのツールで全単位の値を一度に確認してみてください。