テキスト差分ツールの使い方|2つの文章の変更点を行単位で色分け比較・校正に活用
公開日:2026年7月16日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:テキスト差分
文章を推敲した前後や、設定ファイル・原稿・コードを更新したあとで、「結局どこが変わったのか」を正確に押さえたい場面は少なくありません。2つのテキストを目で見比べると、句読点1つの違いや行の入れ替わりを見落としがちです。シルギアのテキスト差分ツールは、左(A)と右(B)に入れた2つのテキストを行単位で自動比較し、追加・削除・共通の行を色分けして示します。この記事では、差分が求まる仕組み、結果の読み方、校正やバージョン比較への活かし方を具体例で解説します。
2つのテキストの差分を見る仕組み
差分とは、2つのテキストのあいだで「どの行が残り、どの行が消え、どの行が増えたか」を突き合わせた結果です。このツールはまず入力を改行で行に分割し(CRLF・CR は LF に正規化)、各行どうしが一致するかを判定します。
対応付けにはLCS(最長共通部分列, Longest Common Subsequence)を動的計画法で求める方式を使います。両方に同じ順序で現れる行を「できるだけ多く残す」ように対応を取り、残りをA側だけの行=削除、B側だけの行=追加として並べます。上から1行ずつ比べるのではなく共通行を最大化するため、途中に行が挿入・削除されても前後の共通行がずれずに揃うのが利点です。処理はすべてブラウザ内(お使いの端末上)で完結し、入力が外部に送信されることはありません。
差分の読み方(色と記号)
結果は次のルールで表示されます。件数は上部のサマリにまとまります。
- 緑・行頭に「+」:B側で追加された行。
- 赤・行頭に「−」:A側から削除された行。
- 記号なし:AとBで共通する行(変わっていない行)。
- 空行も1行として扱われ、差分では「(空行)」と明示されます。完全に一致すれば「差分なし」と表示されます。
具体例で確かめてみましょう。Aに「りんご/みかん/ぶどう/バナナ」(4行)、Bに「りんご/みかん/いちご/バナナ/もも」(5行)を入れます。すると「りんご」「みかん」「バナナ」の3行が共通として残り、「ぶどう」が赤の削除、「いちご」と「もも」が緑の追加になります。サマリは「+2 / −1」「追加 2 行・削除 1 行・共通 3 行」です。共通3+削除1=Aの4行、共通3+追加2=Bの5行と一致し、計算が合います。LCSのおかげで「バナナ」が共通行として正しく揃い、途中で果物が入れ替わってもずれません。
行単位と文字単位はどう違うか
このツールの比較単位は行です。1行の中の一部の文字だけが変わった場合でも、その行全体が「削除された古い行(赤)」と「追加された新しい行(緑)」の2行の組み合わせとして表示されます。文字単位・単語単位で「この1文字だけ変わった」とハイライトする方式ではありません。
たとえば「価格は1000円です」を「価格は1200円です」に直すと、差分は−価格は1000円です/+価格は1200円ですの2行になり、どの文字が変わったかは緑と赤を見比べて判断します。行の切れ目(改行)が比較の境界なので、1文=1行のように改行を細かく入れておくと、変更箇所が小さな単位で浮かび上がり読みやすくなります。長い段落を1行にまとめると、少しの修正でも段落まるごとが削除+追加になり、どこを直したか分かりにくくなります。
使い方の手順
- 左(A)に元のテキスト、右(B)に比較したいテキストを入力または貼り付けます。改行で区切った各行が比較の単位です。
- 入力すると即座に、または「差分を表示する」ボタンで、下に差分とサマリが表示されます。
- インデントや行末の空白の違いを差分に含めたくないときは、「行の前後の空白を無視して比較する」をオンにします。行頭・行末のスペースやタブの違いを無視して一致判定し、判定は自動でやり直されます(行の途中にある空白の違いは反映されます)。
- 結果を残すときは、差分表示右上の「差分をコピー」ボタンで、各行頭に「+ 」「- 」「(空白)」の記号が付いたプレーンテキストとしてまとめてコピーできます(範囲をマウスで選択してコピーも可能)。保存機能はありません。
大文字・小文字を同一視する機能や、全角・半角を同じ文字として扱う機能はありません。無視できるのは行の前後の空白だけで、それ以外はそのまま比較されます。
校正・バージョン比較での活かし方
差分は「変更の証拠」を短時間で確認する道具として、次のような場面で役立ちます。
- 契約書・規約の改定確認:旧版と新版を貼り付け、どの条項が増減・書き換えられたかを洗い出す。条番号や項目ごとに改行しておくと、変わった条だけが色づいて拾いやすくなります。金額・期日など重要な数値は、赤と緑の2行を必ず突き合わせて確認します。
- 原稿・記事の推敲:推敲前後を並べ、どの文を書き換えたかを確かめる。編集者に渡した版と戻ってきた版の突き合わせにも使えます。
- 設定ファイル・コードのバージョン比較:更新前後を貼り付け、変更した行だけを確認する。インデント調整だけの行を無視したいときは空白無視オプションが有効です。
- 名簿・リストの増減チェック:会員一覧や在庫項目で、増えた行・消えた行を色で見分ける。
差分をうまく読むコツと注意点
より正確に読むための実践的なポイントをまとめます。
- 1文・1項目ごとに改行しておく:比較の境界が行なので、細かく改行された文章ほど変更箇所が小さく特定できます。
- まずサマリの件数を見る:「+○ / −○」で変更の規模を把握してから本文を読むと見落としに気づきやすく、件数がAとBの行数と合うかも簡単なチェックになります。
- 1文字だけの修正は2行を見比べる:行単位のため、どの文字が変わったかは赤と緑の対で確認します。
- 意図しない差分が多いとき:改行コードやインデント、全角スペースの混入が原因のことがあります。空白無視オプションを試すか、貼り付け元の書式をそろえてから再比較します。
- 機密情報も扱いやすい:処理はブラウザ内で完結し送信されないため、個人情報を含むテキストでもオフラインで比較できます。ただし契約・法務など重要事項は原本と照合し、専門家の確認を優先してください。
貼り付けるだけで、2つのテキストの変更点が色と件数で分かります。文章の校正から設定・コードのバージョン比較まで、変更の見落としを防ぐ確認手段として活用してください。