お酒が抜ける時間の目安を計算|アルコール分解時間の計算ツールの使い方
公開日:2026年7月19日 更新日:2026年9月2日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:アルコール分解時間の計算
「あと何時間でお酒が抜けるのか」を知りたい場面は多いものですが、この問いにはひとつの正確な答えが存在しません。アルコールの分解速度には、体質・体調・年齢による非常に大きな個人差があるからです。この記事では、シルギアのアルコール分解時間の計算ツールが使っている考え方と、飲酒にまつわる誤解や見落とされがちな危険を整理します。先に結論をお伝えします。少しでも飲んだら、時間の表示にかかわらず運転しないでください。ここに書かれた数字はすべて簡易式による目安であり、健康や安全にかかわる判断は最新の公的情報と専門家の助言を優先してください。
アルコール分解時間の計算式
このツールの計算は、大きく二つのステップに分かれます。まず体が処理すべきアルコールの量(純アルコール量)を求め、次にそれを1時間あたりの分解量で割ります。
- 純アルコール量(g) = 飲んだ量(ml) × 度数(%) ÷ 100 × 0.8。末尾の0.8はエタノールの比重です。
- 1時間あたりの分解量(g/時) = 体重(kg) × 0.1。「体重1kgあたり1時間に約0.1g」という一般的なめやすで、体重60kgなら約6.0g/時です。
- 分解時間(時間) = 純アルコール量 ÷ 1時間あたりの分解量。
この分解速度の係数に、明確な男女差を置く科学的根拠は弱いとされます。そのため本ツールは分解時間を男女共通で計算し、差は「個人差が大きい」ものとして扱っています。医学的に厳密な値ではなく、あくまで出発点となる概算だと考えてください。
ドリンク別の純アルコール量と分解時間
代表的なお酒の純アルコール量を、上の式で計算するとおおむね次のようになります。
- ビール500ml(5%)… 500×0.05×0.8=20g
- ビール350ml缶(5%)… 350×0.05×0.8=14g
- 日本酒1合180ml(15%)… 180×0.15×0.8=約21.6g
- ワイングラス1杯120ml(12%)… 120×0.12×0.8=約11.5g
- 焼酎のお湯割り原液90ml(25%)… 90×0.25×0.8=18g
- ウイスキーダブル60ml(40%)… 60×0.4×0.8=約19.2g
厚生労働省は純アルコール約20gを「飲酒の1単位」の目安としており、ビール500mlや日本酒1合がほぼこの1単位にあたります。分解時間の例も挙げます。体重60kgの人がビール500ml(20g)を飲むと、分解速度6.0g/時で 20÷6.0=約3時間20分。同じ人が日本酒1合(21.6g)なら 21.6÷6.0=約3時間36分です。両方を続けて飲めば合計41.6gとなり、41.6÷6.0=約6時間56分もかかる計算になります。体重が軽い人ほど分解速度は遅く、同じ量でも時間は長くなります。
推定血中アルコール濃度(BAC)の見方
ツールは参考値として、飲み切った直後の推定血中アルコール濃度をウィドマーク式で表示します。式はBAC(%) = 純アルコール量(g) ÷(体重(g) × r)× 100で、r(体内分布係数)は体水分量の男女差を反映して男性0.7・女性0.6を使います。この男女差には比較的しっかりした根拠があります。
たとえば体重60kgの男性が純アルコール20gを摂ると、20÷(60,000×0.7)×100=約0.048%。体重50kgの女性がワイン1杯(約11.5g)なら、11.5÷(50,000×0.6)×100=約0.038%が推定ピークです。ただしこれは吸収が完了したピークの推定であって実測値ではなく、飲むペースや食事の有無でも実際の値は変わります。正確に知りたいときは検査機器による測定が必要です。
なぜ「目安」でしかないのか
同じ体重・同じ量でも、抜ける時間は人によって大きく変わります。影響するのは、アルコールを分解する酵素(ALDH2など)の働き、その日の体調や睡眠、空腹かどうか、常飲の習慣、年齢、服薬などです。一般に女性は男性よりアルコールの影響を受けやすいとされます。計算上の時間が過ぎても、体内にアルコールが残っていることは珍しくありません。そもそもアルコールには「これくらいなら安全」という確実な量はなく、少量でも健康リスクはあるとされています。妊娠中・授乳中の飲酒、20歳未満の飲酒は避けてください。この数字を「安全ライン」として扱ってはいけません。
翌朝の運転が特に危険な理由
特に注意したいのが翌朝の「二日酔い運転」です。夜遅くまで大量に飲むと、睡眠中の分解が追いつかず、朝になってもアルコールが残ります。上の例のように合計40gを超えると分解に7時間近くかかることもあり、就寝時刻によっては起床時にまだ抜けきっていません。日本では呼気中アルコール濃度が0.15mg/L以上で酒気帯び運転となり、本人が「もう抜けた」と感じていても検挙・処罰の対象です。よくある失敗を挙げます。
- 「少しだけなら大丈夫」… 微量でも判断力や反応は低下します。運転に「安全な飲酒量」はありません。
- 「一晩寝れば抜ける」… 睡眠で分解は速まりません。量が多ければ翌朝も残ります。
- 「コーヒーやサウナ、水で抜く」… 分解のスピードは基本的に変わりません。
このツールの使い方と注意
性別と体重を入れ、お酒の種類と飲んだ量(ml)を選ぶだけで、純アルコール量・おおよその分解時間・参考の推定血中アルコール濃度が表示されます。お酒の種類で「純アルコール量を直接入力」を選べば、g単位で直接入れて分解時間だけを見ることもできます。飲み会の前後に「今どのくらいのアルコールを体に入れているか」を大まかにつかむ、目安づくりの道具として使ってください。
くり返しますが、いずれの数字も大まかな目安であり、正確さは保証しません。運転してよいかの判断には決して使わないでください。「飲んだら運転しない」を必ず守り、飲酒運転は法律で固く禁じられていることを忘れないでください。体調や健康の不安があるときは、この記事やツールの表示ではなく、医師など専門家や厚生労働省などの公的情報を優先してご相談・ご確認ください。