賞与(ボーナス)の手取りはいくら?額面から引かれる社会保険料と源泉所得税を概算で計算
公開日:2026年7月24日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:賞与の手取り
ボーナスの支給が近づくと、「額面はわかるけれど、実際に手元に残るのはいくらだろう」と気になる方は多いはずです。賞与の額面からは社会保険料と源泉所得税が差し引かれるため、通帳に振り込まれる金額は額面より少なくなります。このツールは、賞与の額面・前月の給与・扶養人数・年齢区分を入力するだけで、手取り額と控除の内訳を概算で表示します。ここでは、そもそも何がいくら引かれるのか、なぜ前月の給与を入力するのか、額面が大きいと手取り率がなぜ下がるのかを、実際に計算した数値例つきで説明します。
賞与の手取りはどう決まるのか(計算式)
賞与の手取りは、次のシンプルな引き算で決まります。
手取り = 賞与の額面 − 社会保険料 − 源泉所得税
ここで押さえておきたいのが、毎月の給与と違い、賞与からは原則として住民税が引かれないという点です。住民税は前年の所得をもとに計算され、翌年6月以降の毎月の給与から徴収される仕組みのため、賞与の控除には含まれません。つまり賞与から差し引かれるのは「社会保険料」と「源泉所得税」の2つだけ、と整理すると全体像がつかみやすくなります。このツールも住民税は含めていません。
引かれる社会保険料の中身
社会保険料(本人負担分)は、賞与の額面に一定の料率を掛けて計算します。このツールでは代表的な概算料率として次を用いています。
- 健康保険:約5.0%(40歳以上65歳未満は介護保険料が上乗せされ約5.8%)
- 厚生年金:9.15%
- 雇用保険:0.6%(一般の事業・本人負担分)
合計すると、40歳未満で約14.75%、40歳以上で約15.55%が賞与額面にかかる計算です。たとえば額面50万円・40歳未満なら、健康保険2万5000円・厚生年金4万5750円・雇用保険3000円で、社会保険料は合計7万3750円になります。実際には標準賞与額に上限(健康保険は年度累計573万円、厚生年金は1か月あたり150万円)があり、加入する健康保険組合や都道府県の料率でも変わるため、あくまで目安として捉えてください。
源泉所得税は「前月の給与」で税率が決まる
賞与の源泉所得税は、給与の源泉徴収とは別の仕組みで税率が決まります。具体的には、前月の給与(社会保険料を引いた後の金額)と扶養人数から「賞与に対する源泉徴収税額の算出率」を求め、その率を社会保険料控除後の賞与に掛けて算出します。前月の給与を入力する欄があるのはこのためです。
ポイントは2つあります。ひとつは、前月の給与が高いほど算出率が上がること。もうひとつは、扶養人数が多いほど算出率が下がることです。たとえば前月給与30万円・扶養0人だと税率は4.084%ですが、同じ前月給与でも扶養が2人になると2.042%まで下がります。このツールは国税庁の算出率表(甲欄)の代表的な区切りを簡略化した近似値を用いており、扶養0〜7人までの違いを反映して計算します。
数値例で見る手取り(すべて検算済み)
実際にこのツールで計算した例を並べます。条件を変えると手取りがどう動くかの参考にしてください。
- 額面50万円・前月給与30万円・扶養0人・40歳未満:社会保険料7万3750円、源泉所得税1万7408円(税率4.084%)が引かれ、手取りは約40万8842円(手取り率81.8%)。
- 額面80万円・前月給与40万円・扶養0人・40歳未満:社会保険料11万8000円、源泉所得税4万1779円(税率6.126%)が引かれ、手取りは約64万0221円(手取り率80.0%)。額面が大きく税率も上がったため、手取り率は1に比べてやや低下します。
- 額面50万円・前月給与30万円・扶養2人・40歳未満:社会保険料は1と同じ7万3750円ですが、源泉税率が2.042%に下がるため源泉所得税は8704円で済み、手取りは約41万7546円(手取り率83.5%)。扶養が2人いるだけで、1より手取りが約8700円多くなります。
もう一例、額面50万円・前月給与30万円・扶養0人・40歳以上では、介護保険が上乗せされて社会保険料が7万7750円に増え、手取りは約40万5005円(手取り率81.0%)。1と比べ、介護保険のぶんだけ手取りがわずかに減ります。
手取りは額面の約8割が目安
これらの例からわかるように、賞与の手取りはおおむね額面の75〜85%に収まり、多くのケースで「約8割」が目安になります。ざっくり見当をつけたいときは、額面に0.8を掛けると近い数字が出ます。額面50万円なら約40万円、100万円なら約80万円、というイメージです。
ただし手取り率は一定ではありません。額面が大きくなるほど源泉所得税の税率区分が上がるため手取り率は下がり、逆に扶養人数が多いほど源泉税率が下がって手取り率は上がります。40歳以上では介護保険のぶん手取り率がわずかに下がります。「同じ額面でも人によって手取りが違う」のは、この源泉税率と保険料率の差によるものです。
使い方と注意点
使い方はシンプルです。
- 賞与の額面(税引前の支給額)を入力します。
- 前月の給与額面を入力します。賞与の源泉税率の判定に使われます。
- 扶養人数と年齢区分(40歳以上は介護保険あり)を選びます。
- 手取り額と、健康保険・厚生年金・雇用保険・源泉所得税の内訳、手取り率が自動表示されます。「結果をコピー」で控えを残せます。
お金や税金は生活に直結するYMYL(Your Money or Your Life)の情報です。このツールの結果はあくまで概算であり、標準報酬月額の区分、各保険料の上限、加入する健康保険組合・都道府県ごとの料率、源泉徴収税額の算出率表の正確な区分によって、実際の金額は前後します。最新の料率や自分に当てはまる正確な金額は、給与明細や勤務先の経理、公的機関(協会けんぽ・日本年金機構・国税庁)の情報、必要に応じて税理士など専門家の確認を優先してください。支給前におおよその手取りを把握し、貯蓄や支出の計画を立てる目安としてお使いいただくのがおすすめです。