住宅ローン控除はいくら戻る?年末残高0.7%の計算と控除期間・所得要件をわかりやすく
公開日:2026年7月21日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:住宅ローン控除の概算
マイホームを住宅ローンで買うと、年末のローン残高に応じて所得税などが軽くなる住宅ローン控除(正式名称は住宅借入金等特別控除、住宅ローン減税とも呼ばれます)を利用できます。ただし「結局いくら戻るのか」は、住宅の性能や種類によって借入限度額と控除期間が変わるため、なかなかイメージしづらいものです。このページでは仕組みと計算方法を数値例つきで整理し、あわせて年末残高から控除額の目安を出せる概算ツールの使い方を紹介します。
税金はYMYL(お金・税)にあたる分野です。本記事の内容は制度をやさしく理解するための一般的な目安であり、税制は毎年の改正で変わります。実際の適用可否や正確な金額は、国税庁・税務署の最新情報や税理士など専門家の判断を優先してください。
住宅ローン控除の基本的な仕組み
住宅ローン控除は、その年の12月31日時点のローン残高に一定の控除率を掛けた金額を、その年の所得税から差し引ける制度です。2022年の税制改正以降、控除率は年末残高の0.7%に設定されています。残高が多いほど控除額も大きくなりますが、後述する「借入限度額」という上限があり、それを超える部分は対象になりません。
ポイントは、住宅ローン控除が「税額控除」だという点です。所得から差し引く所得控除とは違い、計算された税額そのものから直接引かれるため、節税の効果を実感しやすい仕組みになっています。毎年、年末残高が減っていくのに合わせて控除額も少しずつ小さくなっていきます。
控除額の計算式と数値例
1年あたりの控除額は、次の式で求めます。
- 年間の控除額(目安)= min(年末残高, 借入限度額)× 0.7%
たとえば長期優良住宅(子育て世帯・借入限度額5,000万円)で、年末残高が3,000万円のケースを計算してみます。残高は限度額の範囲内なので、3,000万円 × 0.7% = 21万円が1年あたりの控除額の目安です。新築は控除期間が13年間なので、残高が一定と仮定した単純計算では 21万円 × 13年 = 273万円が期間合計の目安になります。実際は残高が年々減るため合計はこれより小さくなりますが、資金計画の見当をつけるのに役立ちます。
中古住宅の例も見てみましょう。省エネ基準適合の中古住宅(限度額3,000万円)で年末残高2,500万円なら、限度額の範囲内なので 2,500万円 × 0.7% = 17.5万円が1年あたりの目安です。これらの計算は概算ツールの実装と一致しています。
借入限度額と控除期間は住宅の性能で変わる
控除の対象になる残高の上限(借入限度額)は、住宅の省エネ性能によって大きく変わります。新築・買取再販で2024・2025年に入居する場合、子育て世帯・若者夫婦世帯ではおおむね次のとおりです。
- 長期優良住宅・低炭素住宅: 5,000万円(控除上限35万円/年)
- ZEH水準省エネ住宅: 4,500万円(同31.5万円/年)
- 省エネ基準適合住宅: 4,000万円(同28万円/年)
一般世帯ではそれぞれ4,500万円・3,500万円・3,000万円に下がります。中古(既存)住宅の限度額は、長期優良・ZEH水準・省エネ基準適合のいずれかなら3,000万円、それ以外の一般住宅は2,000万円です。控除期間は新築・買取再販が最長13年、中古が最長10年と覚えておきましょう。なお2024年以降に建築確認を受けた新築で省エネ基準を満たさない「その他の住宅」は、原則として控除の対象外になった点にも注意が必要です。
所得税で引ききれない分は住民税から
住宅ローン控除はまず所得税から差し引かれますが、その年の所得税額が控除額より少ないと引ききれないことがあります。この場合、余った分を翌年度の住民税から控除できます。ただし住民税からの控除には上限があり、課税総所得金額等の5%(最大97,500円)までです。
数値例で確認します。1年あたりの控除額が21万円で、その年の所得税が15万円だったとします。まず所得税から15万円を引き、残る6万円は住民税へまわります。6万円は上限9.75万円の範囲内なので、全額が住民税から控除されます。一方、控除額が35万円・所得税が20万円なら、残り15万円のうち住民税から引けるのは9.75万円までで、差額の5.25万円は控除しきれない可能性があります。概算ツールに「年間の所得税額」を入れると、この所得税分と住民税分の内訳を試算できます。
所得要件と初年度の確定申告・2年目以降の年末調整
住宅ローン控除を受けるには、いくつかの要件を満たす必要があります。代表的なものは次のとおりです。
- その年の合計所得金額が2,000万円以下であること。
- 住宅の床面積が原則50平方メートル以上(一定の場合40平方メートル以上)であること。
- 返済期間が10年以上の住宅ローンであること。
- 取得後6か月以内に入居し、引き続き住んでいること。
手続きの面では、初年度(入居した翌年)は必ず確定申告が必要です。住宅ローンの年末残高証明書や登記事項証明書などをそろえて申告します。2年目以降は、会社員なら年末調整で控除を受けられます。税務署から送られる控除証明書と、金融機関の年末残高証明書を勤務先に提出すれば、確定申告をやり直す必要はありません。自営業などで毎年確定申告する人は、引き続き申告書に記載して控除を受けます。
概算ツールの使い方と注意点
「住宅ローン控除の概算」ツールは、次の手順で使います。
- 「住宅の種類」で新築・買取再販(13年)か中古(10年)を選びます。
- 新築なら「世帯」を選びます。子育て・若者夫婦世帯は借入限度額の上乗せが維持されます。
- 「住宅の省エネ性能区分」を選ぶと、対応する借入限度額が表示されます。
- 「年末の住宅ローン残高」を万円単位で入力すると、控除額の目安が自動計算されます。
- 任意で「年間の所得税額」を入れると、住民税へまわる分も概算します。
表示される金額は、要件を満たす場合の概算です。実際の控除額は年末残高の変動や所得、ほかの控除の状況で変わります。繰り返しになりますが、住宅ローン控除は税制改正の影響を受けやすい分野です。制度の適用可否や正確な金額の確認は、必ず国税庁・税務署の最新情報や税理士にお願いし、本ツールと本記事は購入前後のイメージづくりの参考としてお使いください。