住民税はいくら?年収から所得割・均等割の目安をすぐ概算
公開日:2026年7月21日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:住民税の計算
給与から毎月天引きされる住民税は、いくらになるのか事前につかみにくい税金です。所得税のように給与額からその場で決まるのではなく、前年の所得に対して翌年に課税されるうえ、計算が「所得割」と「均等割」の二本立てになっているためです。ここでは住民税の仕組みを整理し、年収から住民税の目安を概算できるこのツールの使い方と、実際の数値例までをまとめます。
住民税の仕組み — 所得割と均等割
住民税(個人住民税)は、住んでいる市区町村と都道府県に納める地方税で、次の2つの合計で決まります。
- 所得割:前年の課税所得に応じてかかる部分。税率はおおむね10%(市区町村6%+都道府県4%)が全国共通の標準です。
- 均等割:所得の大小に関わらず定額でかかる部分。標準は市区町村3,500円+都道府県1,500円で、令和6年度からは森林環境税1,000円が上乗せされ、合計約5,000円が目安です。
大切なのは、住民税が前年の所得に対して翌年に課税される点です。たとえば2025年の所得に対する住民税は、2026年6月からの1年間で納めます。そのため、退職や大幅な収入減があった翌年でも、前年分の所得をもとにした住民税が請求される点に注意が必要です。
所得税との違い
同じ「所得にかかる税」でも、所得税と住民税は性格が異なります。
- 課税のタイミング:所得税はその年の所得に、住民税は前年の所得に課税されます。
- 税率:所得税は5〜45%の累進課税ですが、住民税の所得割は原則10%の一律です。
- 控除額:基礎控除や扶養控除などの金額が住民税のほうがやや小さく設定されています(基礎控除は所得税48万円に対し住民税43万円、一般の扶養控除は所得税38万円に対し住民税33万円)。
このため、同じ年収でも所得税と住民税では課税所得や税額が一致しません。住民税だけを見て「思ったより高い」と感じるのは、控除が小さいぶん課税所得が大きくなりやすいことも一因です。
このツールが住民税を計算する流れ
本ツールは、給与所得者の住民税を次の順序で概算します。
- 給与所得を求める:給与年収から給与所得控除(会社員の必要経費に相当する控除)を差し引きます。控除は年収400万円なら124万円(年収×20%+44万円)というように段階式です。
- 課税所得を求める:給与所得から、基礎控除43万円・社会保険料控除・扶養控除(1人33万円)・その他の所得控除を差し引き、1,000円未満を切り捨てます。
- 所得割を計算:課税所得×10%から調整控除(本ツールでは簡易に2,500円)を引きます。
- 合計:所得割に均等割5,000円を足したものが住民税の年額です。
社会保険料の欄を空欄にすると、年収の約15%を社会保険料とみなして自動概算します。実額がわかる場合は入力したほうが精度が上がります。生命保険料控除やiDeCoなどは「その他の所得控除」にまとめて入れられます。
数値例で確かめる
年収400万円・社会保険料は概算・扶養0人の場合を計算してみます。給与所得控除は124万円なので給与所得は276万円。ここから基礎控除43万円と社会保険料の概算60万円(400万円×15%)を引くと、課税所得は173万円です。所得割は173万円×10%−2,500円=170,500円、均等割5,000円を足して住民税は年額およそ175,500円、月あたり約14,625円という目安になります。
課税所得が300万円のケースなら、所得割は300万円×10%−2,500円=297,500円、均等割5,000円と合わせて約302,500円です。所得割は課税所得にほぼ比例して増える、とイメージするとつかみやすいでしょう。
扶養家族の効果も見てみます。扶養控除は1人33万円なので、扶養が1人増えると課税所得が33万円下がり、住民税(所得割10%)は約33,000円軽くなります。たとえば年収500万円・扶養0人だと住民税は約240,500円ですが、扶養2人にすると課税所得が66万円下がり、住民税は約174,500円まで下がります。
特別徴収と普通徴収 — 納め方とタイミング
住民税の納め方には2種類あります。
- 特別徴収:会社員が対象で、6月から翌年5月までの12回に分けて給与から天引きされます。年額を均等に割るのではなく、6月分でまとめて端数を調整するため、月ごとに数百円の差が出ることがあります。
- 普通徴収:自営業者や退職者などが対象で、自治体から届く納付書をもとに年4回(おおむね6月・8月・10月・翌年1月)に分けて自分で納めます。
本ツールの「月額の目安」は年額を単純に12で割った概算です。実際の毎月の天引き額とは、端数調整のぶんだけずれる点にご留意ください。
控除を活かすコツと利用上の注意
住民税を抑える基本は、課税所得を下げる所得控除を漏れなく使うことです。生命保険料控除・地震保険料控除・医療費控除、iDeCo(小規模企業共済等掛金控除)などは、合計して「その他の所得控除」に入力すると結果に反映されます。控除が課税所得を下げ、そのおよそ10%だけ住民税が軽くなる関係です。ふるさと納税は仕組みが異なり、寄附額の多く(自己負担2,000円を除く分)が翌年の住民税などから差し引かれます。
税金はYMYL(生活やお金に直結する情報)です。本ツールは均等割・調整控除を代表値で簡易化しており、実際の額は自治体ごとの均等割や超過課税、非課税基準、扶養の年齢区分(特定扶養・老人扶養など)、配偶者控除・配偶者特別控除などによって変わります。結果はあくまで目安とし、正確な額は毎年6月ごろに届く住民税の決定通知書(納税通知書)や、お住まいの市区町村の住民税・市民税課、必要に応じて税理士など専門家の情報を優先してご確認ください。