将来もらえる年金はいくら?老齢基礎・厚生年金をざっくり試算する
公開日:2026年7月29日 更新日:2026年8月30日 運営:シルギア(Analyzegear, Inc.) 対象ツール:年金の見込み額(かんたん試算)
「自分は将来いくら年金をもらえるのか」は、老後の家計を考えるときにまず気になる数字です。ただ年金は用語が多く、公的な資料は正確な反面とっつきにくいもの。このツール「年金の見込み額(かんたん試算)」は、納付年数・加入年数・平均年収という3つの数字を入れるだけで、老齢基礎年金と老齢厚生年金を合わせた年額・月額の目安をその場で計算します。この記事では、その裏側にある計算の考え方と数字の読み方をやさしく解説します。
公的年金は「2階建て」でできている
日本の公的年金は2階建てにたとえられます。1階が、20歳から60歳までの全員が加入する国民年金から支給される老齢基礎年金。2階が、会社員や公務員が加入する厚生年金から支給される老齢厚生年金です。自営業やフリーランスは原則1階だけ、会社員は1階と2階の両方を受け取ります。
このツールは、この2つを別々に計算して合算します。だから入力欄も「国民年金の納付年数」(1階の材料)と「厚生年金の加入年数・平均年収」(2階の材料)に分かれています。会社員として働いた期間は厚生年金と同時に国民年金にも加入しているので、その年数は両方に含める点に注意してください。
老齢基礎年金は「納めた月数」で決まる
1階の老齢基礎年金は、収入ではなく保険料を納めた期間の長さだけで決まります。40年(480か月)すべて納めると満額になり、期間が短いほど比例して減ります。ツールが使う式は次の通りです。
- 老齢基礎年金(年額)= 満額の目安816,000円 × 納付月数 ÷ 480
納付月数は「納付年数×12」で、最大480か月です。たとえば40年納めれば816,000円がまるまる、30年(360か月)なら816,000×360÷480=612,000円、20年(240か月)なら408,000円と、きれいに年数へ比例します。満額の816,000円はあくまで目安の水準で、実際の満額は年度ごとに改定される点に留意してください。
老齢厚生年金は「収入×期間」で決まる
2階の老齢厚生年金(報酬比例部分)は、現役時代の収入の高さと加入期間の長さで決まります。ツールは次の簡易式で概算します。
- 老齢厚生年金(年額)= 平均年収 × 0.005481 × 厚生年金の加入年数
係数0.005481は、報酬比例部分の給付乗率5.481/1000を、平均標準報酬額(おおよそ年収÷12)と加入月数(加入年数×12)に掛ける式を整理したものです。たとえば平均年収500万円で40年加入なら、5,000,000×0.005481×40=1,096,200円。平均年収400万円で38年なら4,000,000×0.005481×38=833,112円になります。年収が高いほど、また加入が長いほど増えます。入力する平均年収は、賞与を含む額面(税・社会保険料を引く前)で、加入期間全体の平均をイメージしてください。
使い方と合計の読み方
- 「国民年金の保険料納付年数」を0〜40年で入力します(厚生年金に入っていた期間も含める)。
- 「厚生年金の加入年数」を入力します(自営業だけなら0)。
- 「厚生年金加入期間の平均年収」を賞与込み・額面で入力します。
- 入力と同時に、基礎・厚生・合計の年額と月額が自動表示されます。「結果をコピー」で控えられます。
先ほどの例(基礎40年満額+年収500万円で厚生40年)なら、816,000+1,096,200=合計年額1,912,200円、月額にすると約159,000円が目安です。自営業やフリーランスで厚生年金がない方は、加入年数を0にすれば老齢基礎年金だけの金額(40年満額なら年816,000円=月約68,000円)が確認できます。数字を少しずつ変えて、納付年数や年収が結果にどう効くかを試すのもおすすめです。
受給開始と繰上げ・繰下げ
このツールは原則の65歳から受け取る前提で計算しています。実際には受給開始を早めたり遅らせたりでき、その分だけ金額が変わります。
- 繰上げ受給(60〜64歳):早めるほど1か月あたり0.4%減額され、60歳まで早めると最大24%の減額になります。
- 繰下げ受給(66〜75歳):遅らせるほど1か月あたり0.7%増額され、75歳まで遅らせると最大84%の増額になります。
たとえば月159,000円という目安を70歳まで5年繰り下げると、0.7%×60か月=42%増で月約226,000円になる計算です。ただし増減率や上限は制度改正で変わることがあり、加給年金や在職中の調整(在職老齢年金)など個別の事情も絡みます。ツールはこれらを反映していないので、繰上げ・繰下げは「そういう調整ができる」程度に捉え、実額は必ず公的な情報で確かめてください。
「ねんきん定期便」との違いと正確な確認先
年金は老後の生活設計の土台で、金額は制度改正や物価・賃金スライドにより毎年見直されます。この試算は、生年月日・加入区分・各年の報酬の推移・免除や猶予の期間・加給年金などをいっさい考慮しないごく大づかみの目安にすぎず、正確な金額とは異なります。あくまで最初のイメージづくりに使ってください。
正確な見込み額は、あなたの実際の納付記録に基づく次の情報を優先してください。
- ねんきん定期便:毎年誕生月にはがきなどで届き、これまでの加入記録と見込み額が確認できます。
- ねんきんネット(日本年金機構):24時間いつでも最新の記録に基づく試算を確認できます。
- 年金事務所:繰上げ・繰下げや個別の事情を含めて相談できます。
お金や制度にかかわる判断は、必ず最新の公的情報や年金事務所・専門家(社会保険労務士など)の案内を優先し、本ツールの結果はその手前の参考としてご活用ください。将来の制度や金額を保証するものではない点にご注意ください。